医療機関でヘバーデン結節の診断を受け、治療を続けているもののなかなか治らない人の中には、日々の指の関節の痛みに悩み、家事や仕事などに支障をきたしているケースも多いのではないでしょうか。
そこで、本記事ではヘバーデン結節に効果的なテーピング方法を解説します。50代でヘバーデン結節になり、今では痛みから解放された筆者が、簡単にできるテーピング法や、おすすめの市販テーピングについても紹介します。ヘバーデン結節で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
ヘバーデン結節の痛みをテーピングで緩和させよう
ヘバーデン結節とは、指の軟骨がすり減ったり骨が出っぱったりして、第1関節が赤く晴れる・変形するなどの症状が出る病気です。発症の原因は不明で、指の関節の動きが悪くなり、痛みを伴うこともあります。第1関節の近くに水ぶくれができることもあります。
ヘバーデン結節は指に症状が現れるため、家事や仕事などの日常の作業がやりにくくなるといった弊害が生じます。こうした症状を抑えるため、基本的には医療用のヘバーデン結節専用テーピングで患部をサポートすることになります。
もっとも、専用のテーピングを購入しなくても、家庭の薬箱に常備しているものや、100均で手に入るもので一時的なサポートをすることも可能です。
へバーデン結節については、下記の記事で詳しく解説しています。
『ヘバーデン結節ってどんな病気?原因や治療法・気になる疑問を徹底解説』
ヘバーデン結節におすすめのテーピング方法
ヘバーデン結節の症状を少しでも抑えるための、おすすめのテーピング方法を紹介します。
- 基本の巻き方
- 親指の巻き方
- 小指の巻き方
基本の巻き方
基本的な巻き方のコツは、痛みがある関節を2回ぐるっと巻くことです。このとき、あまりきつく巻きすぎるとかえって症状悪化の原因となってしまいます。したがって、巻くときはきつくならない程度に巻いてくださいね。
親指の巻き方
ヘバーデン結節は主に人差し指から小指にかけて症状が現れる病気です。もっとも、まれに親指に症状が現れることもあります。(実際筆者も親指にも症状が出ました。)
親指がヘバーデン結節になった場合でも、基本的なテーピングの仕方は他の指と同様です。痛みがある関節を2まわり巻きましょう。たったこれだけで、物に触れたときの傷みや荷物を持ったときの指への負担を軽減することができます。
また、寝ているときも無意識に親指に力が入っているので、症状を悪化させないためにも就寝時もテーピングしておくことが望ましいです。
もし、親指が痛むことによって手のひらや手首にまで影響がある場合は、テープを親指の中間から第1関節の上を通して手首までまっすぐ貼り、固定するとよいでしょう。
小指の巻き方
小指も、親指と同様に第1関節を2まわり巻きます。小指は他の指よりも細くて小さいため、少しテープを細めに切ると巻きやすくなりますよ。
小指が特に細くて痛みも激しい場合は、3回巻くことも可能です。また、衝撃を防ぐために第1関節だけでなく指先や第1関節よりも下部分をテーピングすることも効果的です。ただし、その際は決してきつくすることのないよう気をつけましょう。
小指のテーピングが剥がれやすい場合は、テープの幅が指のサイズに合っていないことが考えられるので、さらに幅を小さく切ります。利き手と反対の手でテープを貼るのが難しい場合は、人に手伝ってもらうか、ハサミやピンセットなどを使って貼るとよいでしょう。
へバーデン結節の指にテーピングをした際の効果
ヘバーデン結節の指にテーピングをした際の効果として、主に以下の2つが挙げられます。
- 関節を動かさないように制限する効果
- 指の変形が進行するのを遅らせる効果
以下ではへバーデン結節の指にテーピングをした際の効果について詳しく説明します。効果を生じさせるためには、指を固定しすぎないよう巻くことが大切です。なぜなら、テーピングは関節を固定させるため、筋肉のこわばりにもつながり、症状を悪化させる場合もあるからです。
テーピングの際は、関節が少しも動かないようにきつく巻くことはかえって逆効果であることを覚えておきましょう。
関節を動かさないよう制限する効果
テーピングをすることで、指の関節を固定させる効果があります。ヘバーデン結節は、関節が変形することで痛みにつながる病気です。変形した関節では関節を支える組織が緩んでしまい、ぐらつきが生じます。
そうすると、軟骨が摩耗しやすい状態となってしまうため、これを防ぐために関節が動かないよう固定する必要があるのです。また、関節が動いて痛みが生じないよう気をつけて指を動かすことになるので、最低限の動きだけで日常を送ることができるようになります。
指の変形が進行するのを遅らせる効果
ヘバーデン結節は、主に人差し指から小指の第1関節に生じる変形性関節症です。症状が進むと、指の形自体が変形することもあります。
ヘバーデン結節の初期症状である指の違和感や腫れ、こわばりを感じた段階でテーピングをすることで、指が変形する症状の進行を遅らせる効果があります。
指の変形が進むと、痛みで仕事や家事もままならないなど日常生活に支障をきたす危険性があるため、違和感を覚えた段階で早めにテーピングするとよいでしょう。
ヘバーデン結節用の市販テーピングはどこで買える?
ヘバーデン結節は、医療機関で使用する専用テープでなくても、市販のテーピングでも効果があります。市販テーピングは主に以下の場所で入手可能です。
- 100均
- ドラッグストア
- ネットショップ
- 医療機関
以下では、上記4つの場所で買える市販テーピングを紹介します。指の関節に痛みが生じたら、症状が悪化する前に早めに入手しやすい場所でテーピングを買って指に巻き、応急処置をすることをおすすめします。
100均
100均で売っているビニールテープがヘバーデン結節のテーピングにおすすめです。ビニール製のテープは粘着力が弱いため、肌に優しいという利点があります。
また、水濡れにも強いので、指に巻いたまま水仕事をしたり手を洗ったりできます。さらに、ある程度厚みもあるので関節を固定する効果が高いです。
また、何と言っても100均であれば安価で手に入れられる点が大きなメリットです。テーピングのテープを毎日取り替えたいという人にも、100均のビニールテープをおすすめします。
ドラッグストア
100均のビニールテープよりももっとしっかりしたものが欲しいという場合は、ドラッグストアで買うのがおすすめです。
ドラッグストアであれば、100均のビニールテープよりは高いものの、安いもので数百円〜1000円代で1週間〜1か月ほど使えるテーピングを購入できます。
耐水性にすぐれたもの、蒸れにくいもの、ほどよい固定感のものなどさまざまな市販テーピングがあるので、店舗で見比べて、自分の症状に合ったものを選ぶとよいでしょう。
ネットショップ
忙しくて100均やドラッグストアに行く時間がないという場合は、ネットショップを利用しましょう。Amazonや楽天といった大手ネットショップでは、安価なものから医療用の本格的なテーピングまで多くの種類を取り扱っています。
インターネットブラウザやネットショップ上で「ヘバーデン結節 テーピング」などと検索すれば、さまざまなタイプのテーピングが検索可能です。
ビニール製のテープの他に、サポーターも取り扱っています。製品の特徴や値段はさまざまなので、商品説明や口コミを参照しながら自分に合ったものを選びましょう。
医療機関
医療機関でもヘバーデン結節に効果的なテーピングを取り扱っていることが多いです。医療機関で売っているテーピングは、その病院・クリニックの医療従事者が効果的と感じるものを置いているケースが多いので、具体的な効果や使用法はスタッフに直接聞くのがよいでしょう。
自身が通っている医療機関で購入すれば、医師をはじめとする医療スタッフから巻き方を教えてもらえるのもメリットです。診療の際に処方箋などと一緒に購入するよう進められる場合もあります。
へバーデン結節でテーピングをする際によくある質問
ヘバーデン結節にかかった際、自分でテーピングをする場合によくある質問を以下のとおりまとめました。
- 絆創膏でも代用できる?
- 寝るときはどうするの?
- 実際使ってみたおすすめの方法や市販テーピングは?
- いつまでテーピングをした方がいい?
- 水ぶくれがあるときはどうしたらいい?
以下では、上記質問に対する回答を紹介しますので、テーピングで疑問が生じた場合の参考にしてみて下さい。
絆創膏でも代用できる?
指の第1関節に違和感を覚えた際、とりあえず絆創膏で応急処置をしようと考える人も多いかもしれません。
絆創膏でも代用はできなくはないものの、絆創膏は本来切り傷やすり傷を覆うためのものです。そのため、伸縮性のあるものが多く、関節をある程度固定する必要があるヘバーデン結節のテーピングにはあまり向いていません。
症状によっては、かえって進行を早めてしまうリスクもあります。したがって、絆創膏よりも100均などで手に入るビニールテープを巻いた方が無難です。
寝るときはどうする?
指の痛みを抑えるため、手作業のある日中はテーピングしていたとしても、寝ているときくらいはテーピングを外したいという人も多いでしょう。
しかし、結論から言うと、テーピングは寝ているときもしていた方が効果的です。なぜなら、寝ているときも指は動いたり、力がかかったりなどの負担があるからです。テーピングをしていないと、無意識のうちに指の関節に力が加わり、起きた際に痛みが増していたということになりかねません。
したがって、寝るときもできるだけテーピングはしたままが望ましいです。就寝時に巻くテープは、蒸れにくく付け心地のよいものを選びましょう。
実際使ってみたおすすめの方法や市販テーピングは?
ヘバーデン結節の市販テーピングとして、まずおすすめなのが100均でも簡単に手に入るビニールテープです。
ビニールテープは絆創膏と違って粘着力が弱いので肌に優しく、ヘバーデン結節以外の場面でも、たとえばガーゼを固定する際などに使われることもあります。また、耐水性があるため手を洗ったり水仕事をしたりしやすいのもよかったポイントです。
指の第1関節に違和感を覚えたら、とりあえずビニールテープを適当な長さに切って2周分巻けば立派な応急処置になります。その後は早めにかかりつけの医療機関を受診するようにしましょう。
いつまでテーピングをした方がいい?
ヘバーデン結節の症状には個人差があるため、テーピングすべき期間は明確に決まっていません。1〜2年で症状が落ち着く人もいれば、10年以上悩まされる人もいます。したがって、テーピングの期間を一概に決めることはできません。
ただ、医療機関に行かず、テーピングだけで放置していると、症状はますます悪化する可能性があります。痛みが続く場合はテーピングだけに頼らず、なるべく早くかかりつけの医療機関に相談するようにしましょう。受診後は、医師の指示に従い、テーピングが必要であればそのまま続けることになります。
水ぶくれがあるときはどうしたらいい?
ヘバーデン結節の症状には、腫れや変形の他に水ぶくれが出る場合もあります。水ぶくれの上からテーピングしてよいものか迷う人もいるでしょう。
水ぶくれの程度や体質、環境にもよりますが、水ぶくれの上からテーピングすると蒸れやすいため、余計に水ぶくれがひどくなる可能性があります。
したがって、水ぶくれがあまりに多かったり、一つの水ぶくれのサイズが大きかったりする場合はテーピングは控えて、医療機関を受診し、医師の指示を仰ぐようにしましょう。
へバーデン結節はテーピングでサポートして乗り切ろう
ヘバーデン結節は、指の第1関節回りに発症する病気であり、痛みやこわばりが生じるのが特徴です。ひどいときには、日常生活に支障をきたすほどの痛みや指の変形があることもあります。また、一度かかると長い期間付き合っていかなければならない病気でもあります。
テーピングは、痛みやこわばりなど、ヘバーデン結節が疑われるような症状が出た場合の応急処置として効果的です。痛みのある関節部分をテープで2周ほど巻くだけなので、簡単に処置できます。
もし、テーピングをしていても症状がよくならず、以前よりも痛みや変形が進むような場合は、早めにかかりつけの医療機関に相談して下さい。
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