へバーデン結節にマッサージは効果がある?やり方や予防方法を解説

へバーデン結節

ヘバーデン結節は、指の関節が変形し、ゴツゴツとしたこぶができてしまう40代以降の女性に多い疾患です。痛みやこわばりを伴うこともあり、日常生活に支障をきたしているケースも多いでしょう。
へバーデン結節に効果的なマッサージ方法はあるのでしょうか?また、予防するためにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか。
本記事では、痛みが緩和するマッサージのやり方について解説するとともに、そのほか日常で気をつけるべきことやおすすめの書籍やグッズなどついてご紹介します。
へバーデン結節を経験した筆者が本記事を執筆しております。お悩みの方やそのご家族の方は、ぜひ参考にしてください。

へバーデン結節の原因は?マッサージは効果がある?

へバーデン結節の原因は、主に加齢による関節軟骨の摩耗、遺伝的要因、閉経後女性に多いホルモンバランスの乱れなどが考えられていますが、いまだに明確な原因は解明されていません。

マッサージは、ヘバーデン結節による痛みの緩和に一定の効果が期待できます。血行を促進し、こわばった筋肉をほぐすことで痛みを和らげるのです。

また、マッサージに加え、日々の生活習慣の改善も大切です。バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理などを心がけましょう。また、過度な負担のかかる手指の使い方は控えめすることが重要です。

病院で受けられる治療

病院では、ヘバーデン結節に対して以下のような治療が行われます。

治療法内容
薬物療法消炎鎮痛剤の内服や塗布により、痛みや炎症を抑えます
装具療法関節を固定する装具を使用し、変形の進行を防ぎます
リハビリテーション手指の可動域訓練やストレッチを行い、拘縮を予防します
手術療法重度の変形や痛みがある場合、関節形成術などの手術を検討します

これらの治療は、ヘバーデン結節の進行度合いや症状に応じて選択されます。初期段階では薬物療法や装具療法が中心となりますが、変形が進行した場合はリハビリテーションや手術療法が検討されるでしょう。

これらの治療はあくまでも対症療法であり、ヘバーデン結節そのものを根本的に改善する治療法はいまだに解明されていないのが現状です。

へバーデン結節を悪化させないためのマッサージ方法

ここからは、へバーデン結節を悪化させないためのストレッチやマッサージ方法を解説します。

指は、指だけの筋肉で動いているわけではありません。主に肩周りから肘にかけて、全て連動した結果、指が動いています。そのため、ヘバーデン結節が指の症状だったとしても肩周りからしっかりマッサージをすることが大切です。

マッサージは毎日のルーティンに組み込み、痛みを感じない程度の力加減で行いましょう。以下の項目ですぐにできるマッサージ方法を紹介しますので、ぜひやってみてくださいね。

予防のためのストレッチ

まずは、予防や悪化をさせないための手首のストレッチを紹介します。へバーデン結節の予防には、指のストレッチが効果的です。指を伸ばしたり曲げたりすることで、関節の可動域を維持し、こわばりを予防することができます。以下のようなストレッチを1日数回行うのがおすすめです。

ストレッチやり方
指の屈伸手を軽く握り、そのまま5秒キープ。その後、手を開いて指を伸ばし、5秒キープ。これを5回繰り返します。
手首の伸展肘をしっかり伸ばして指先を上に向け、手首も内側を10〜15秒、反対の手で指を手前に引きます。左右ともに数回行います。

ストレッチは、痛みを感じない範囲で行うことが大切です。痛みを感じたら、無理をせずに動作を止めましょう。 また、手首の伸展ストレッチを取り入れることで、モヤモヤ血管ができにくくなる効果も期待できます。 継続的にストレッチを行うことで、指の柔軟性が保たれ、へバーデン結節の予防に役立つでしょう。

肩周りのこりをほぐすマッサージ

肩周りのこりをほぐすことで、上半身の血行が良くなり、指先への血流も改善されます。以下のようなマッサージを行いましょう。

  1. 手のひらが内側を向くように両手を上に上げる
  2. 肩甲骨と肩甲骨を寄せていくイメージで手のひらを外側に向けながら、腕を開くようにおろす
  3. 1、2の動作をを5回繰り返す

マッサージは1日1~2回ほど行うのがおすすめです。肩周りの血行が良くなることで、指先への血流も促進され、へバーデン結節の症状改善につながります。

腕の肘から手首までのマッサージ

手首から肘までの範囲(前腕)もマッサージしていきましょう。

  1. 手のひらが体を向く状態で力を抜き、リラックスする
  2. もう一方の手で、肘の少し手首側を軽く握る
  3. そのまま手首を90度ほど内側にひねる

緊張している腕の筋肉を、絞るようなイメージでほぐしてみてください。気持ちいいと思う部分を探しながら行い、反対側の腕もマッサージしていきましょう。

マッサージを行う際は、強い力で押しすぎたり、圧痛を感じるような刺激は避けるようにしてください。痛みを感じる場合は、優しく圧を調整しながら行うことが大切です。1日1〜2回、片腕につき3分程度を目安にマッサージを続けることで、血行やリンパの流れがよくなっていきます。

手のひらのマッサージ

手のひらのマッサージは、手の筋肉の緊張をほぐし、血行を促進するのに効果的です。以下の手順でマッサージしていきましょう。

  1. 片方の手のひらを上に向けて、もう片方の手の親指の腹で手のひらの中心部を、ゆっくりと円を描くように押します。
  2. 手のひらの中心部から、指の付け根に向かって、親指でゆっくりとスライドさせるように圧をかけていきます。各指に対して3回ずつ行います。
  3. 手のひらの小指側の付け根部分(小指球)を、親指でつまむようにして揉みほぐします。
  4. 手のひらの親指側の付け根部分(母指球)も、親指でつまむようにして揉みほぐします。
  5. 反対の手も同様に、1〜4の手順でマッサージを行います。以上の手順を1日1〜2セット行うことで、手のひらの筋肉の緊張がほぐれ、血行が改善されます。

指先のマッサージ

指先のマッサージは、へバーデン結節の症状緩和に効果的です。しかし、必ず、痛みを強く感じたら中止してくださいね。

指先には、以下のようなマッサージ方法を試してみましょう。

  1. 親指と人差し指で、患部の指の第一関節を温めるようなイメージで優しくつまみます。
  2. 10秒ほどたち、温まったと感じたら、そのまま第一関節をゆっくりと痛くない程度まで曲げます。
  3. 第二関節も同じように温め、曲げていきます。
  4. 次に、指の付け根の水かき部分をつまみ、マッサージしてください。

以上のマッサージを1日朝晩に2回程度行うのがおすすめです。無理のない範囲で継続することが大切ですので、痛みを感じたり、むくみがひどくなったりした場合は、すぐに中止しましょう。

指先マッサージは、以下のポイントに注意しながら、慎重に行いましょう。

・ゆっくりとしたペースで行う

・強い力は加えない

・痛みを感じる場合は中止する

へバーデン結節でマッサージをする際のポイント

へバーデン結節のマッサージをする際は、以下のようなポイントに気をつけましょう。

  • 指周りだけでなく全身の血行を良くしよう
  • 毎日のルーティンに組み込もう
  • 目標を具体的に設定しよう
  • 力いっぱいマッサージしないようにしよう
  • 反対方向に無理に力を加えないようにしよう
  • 継続してマッサージを行おう

適度な強さで、こまめにマッサージを行うことを心がけましょう。痛みに我慢せず、心地よいと感じる程度の力加減を見つけることがポイントです。

上記その他のポイントについて、以下の項目で一つずつ確認してみてください。

指周りだけでなく全身の血行を良くしよう

へバーデン結節のマッサージを行う際は、指周りだけでなく全身の血行を良くすることが大切です。指先への血流を促進するためには、心臓から末端に向かって血液を送り出すことを意識しましょう。

例えば、入浴時にお湯につかることで、全身の血行がよくなります。38~40度程度のぬるめのお湯に10分ほどつかるのがおすすめです。また、朝晩の5〜10分程度のストレッチや体操を習慣にするのもいいですね。

指だけでなく、全身の血流を促すことで、へバーデン結節のマッサージの効果も高まります。ぜひ毎日の生活に取り入れてみましょう。

毎日のルーティンに組み込もう

へバーデン結節のマッサージは、毎日のルーティンに組み込むことが大切です。例えば、次のようなタイミングでマッサージを行うとよいでしょう。

ポイントは、朝起きたときや入浴時など、自分のライフスタイルに合わせて無理なく続けられるタイミングを見つけることです。 また、テレビを見ながらや会話をしながらでもできるので、ながらマッサージもおすすめです。

マッサージを習慣化するには、毎日同じ時間に行うのがおすすめですよ。時間が取れないときは、短時間でもいいので毎日続けることが大切です。

目標を具体的に設定しよう

へバーデン結節のマッサージは毎日継続的に行うことがポイントですが、漠然と「マッサージをする」と決めるのではなく、具体的な目標を設定しましょう。

1日10分間のマッサージを習慣化する 、まずは一週間継続してみるなど、自分に合ったものを設定することが大切です。 無理のない範囲で、できることから始めましょう。

自分の具体的な趣味(編み物やお菓子作り、楽器の演奏など)ができるようになる未来を思い浮かべながら、マッサージに励んでみてくださいね。

力いっぱいマッサージしないようにしよう

へバーデン結節にマッサージを行う際は、力いっぱい押し込むのは避けましょう。強い力でマッサージをしてしまうと、関節への負担が大きくなり、症状がかえって悪化してしまう可能性があります。

マッサージは、ゆっくりとしたペースで、優しく行うのがポイントです。指の腹で円を描くように、ソフトタッチを心がけましょう。「ちょうどいい」と感じる強さを見つけ、リラックスしながら行うことが大切です。

弱すぎる力ではマッサージの効果が感じにくく、かといって強すぎると関節を痛める恐れがあります。ちょうど良い強さを見極めることが重要です。

痛みを感じる場合は、無理をせず、力を弱めるか中止しましょう。痛みが増してきたら、専門医に相談するのがよいでしょう。マッサージはあくまでセルフケアの一つです。力加減に注意して、毎日少しずつ続けていきましょう。

反対方向に無理に力を加えないようにしよう

へバーデン結節に対するマッサージでは、反対方向に無理に力を加えないように注意が必要です。 結節が発生している関節を無理に伸ばそうとすると、かえって炎症を悪化させ痛みが増してしまう恐れがあります。

以下の点に留意しましょう。

  • 痛みを感じる角度以上に曲げない
  • ゆっくりとした動作を心がける
  • 力を入れすぎないようにする
  • 違和感がある場合はすぐに中止する

反対方向への力の入れすぎは厳禁です。痛みに耐えながら行うマッサージは逆効果となってしまいます。 へバーデン結節のマッサージは、リラックスした状態で気持ちよく行うことを心がけましょう。

継続してマッサージを行おう

へバーデン結節の改善には、継続的なマッサージが欠かせません。継続は力なり、とよく言われます。私も諦めずに毎日コツコツとマッサージを続け、へバーデン結節の症状は徐々に和らいでいきました。諦めずにまずは一ヶ月を目標に続けてみてくださいね。

へバーデン結節は放置するとどうなる?

へバーデン結節を放置しておくと、以下のように症状が進行していきます。

  1. 初期の症状として、関節の腫れや皮膚の赤み、痛みが現れます。
  2. 数年かけて変形が進行し、指が横に曲がったり(側方変異)、屈曲した状態で関節が固まったりします。
  3. 関節が固まると痛みがなくなることが多いですが、見た目の変形は残ります。
  4. 放置すると10年ほどの期間をかけて変形が進み、徐々に他の指にも症状が広がっていくことが多いです。

炎症を放置しておくと、骨の変形に進んでしまい、そうなると元に戻せなくなります。 それを防ぐには、痛みが出始めた早い段階から、炎症を軽減させる治療をするのがおすすめです。 ステロイド注射などは一時的な効果しかないため、根治的な治療法はないとされています。

日常生活でのへバーデン結節の予防方法

へバーデン結節の進行を完全に止める方法は確立されていませんが、日常生活の中で関節への負担を減らし、悪化予防につなげることができます。

患部にサポーターなどを着用し、関節への負担を軽減するだけでなく、指に力がかかる仕事や細かい手作業は避けるようにしましょう。

食事面では、糖分の多い食事は控えめにし、肥満にならないよう体重管理を心がけることが重要です。

さらに、禁煙し、お酒は程々にするなど健康的な生活習慣を身につけることで、病気の進行を遅らせることができます。睡眠時間も十分に確保するようにしましょう。

関節への負担を避け、健康的な生活習慣を身につけることがへバーデン結節の予防につながります。 病気の進行を遅らせるためにも、日頃から気をつけたいポイントです。 小さな積み重ねが、指の健康を守ることにつながるのです。

へバーデン結節のマッサージグッズや本

最後に、筆者が実際に読んでみて参考になったへバーデン結節のマッサージに関するグッズや書籍を紹介します。

特に人気の高い本なので、よかったら参考にしてくださいね。

手指が痛くても効率よく指圧ができる!ゆびコロ指圧ローラー

へバーデン結節でマッサージをしたいけれど、指の痛みが気になるという方におすすめなのが、「ゆびコロ指圧ローラー」になります。

書籍の形で販売されていて、付属としてマッサージグッズがついています。「ゆびコロ指圧ローラー」は、痛み治療の名医・富永ペインクリニックの富永喜代院長が考案した手指のセルフケアグッズです。グリップの握りで力加減を調整できるため、手指が痛くても無理なく使用できます。持ち運びに便利で、いつでもどこでも使用できるためちょっとしたお出かけにも持って行けるため、安心ですね。ゆびコロ指圧ローラーを使えば、指の痛みを気にせず、効率的に指圧マッサージを行えるでしょう。

また、ローラーで指圧を行うときのポイント&メニューを解説した冊子や、指圧のやり方の動画も付いていることも魅力的です。

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ヘバーデン結節は自分で治せる!

「ヘバーデン結節は自分で治せる!」はヘバーデン結節外来の名医が教える10秒セルフケア法を掲載したヘバーデン結節に関する書籍です。

前述したゆびコロ指圧ローラーの考案者である富永ペインクリニックの富永喜代院長が著者で、ヘバーデン結節に関する情報満載です。

女性を中心に300万人以上診察している医師が教えてくれるマッサージ方法なので安心ですね。

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日々の生活にマッサージを取り入れてうまく付き合っていくことが大事

ヘバーデン結節にはマッサージが効果的ですが、やり方を間違えると逆効果になることもあります。ポイントを押さえて正しい方法で行うようにしましょう。

また、ストレッチや日常の姿勢などにも気をつけることで、症状の改善や悪化防止につながります。マッサージと組み合わせて、総合的なアプローチをしていきましょう。

ヘバーデン結節は完治が難しい疾患ですが、適切なケアを続けることである程度付き合っていくことは可能です。この記事を参考に、お悩みの方は前向きに取り組んでみてくださいね。

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