「指の第一関節が腫れて痛い」「指の関節が変形してきた」このような症状でお悩みの方は、ヘバーデン結節という病気かもしれません。私も長年苦しんだ病気です。しかし、あらゆる方法を試した結果、今では痛みや変形に悩まされることなく快適に過ごせるようになりました。本記事では、へバーデン結節の特徴や原因、治療法について紹介します。
ヘバーデン 結節ってどんな病気?
ヘバーデン結節は、40代以降の女性に多くみられる原因不明の病気です。
人差し指から小指の第一関節が赤く腫れたり、変形したりすることが特徴です。
この病気は、18世紀にイギリスのウィリアム・ヘバーデン医師によって発見され、彼の名前にちなんでヘバーデン結節と呼ばれるようになりました。
ヘバーデン結節の主な特徴は、第一関節の背側の中央にある伸筋腱付着部を挟んで2つのコブ(結節)ができることです。コブの大きさや変形の度合いには個人差があります。
一見すると関節リウマチと症状が似ていますが、医師でないと判別が難しいです。
ヘバーデン結節の主な症状は、下記の3つです。
- 指の痛み:示指から小指にかけての第一関節が赤く腫れ、痛みを伴うことがある
- 動きの悪さ:腫れによって指の動きが悪くなる
- 水ぶくれ:第一関節に水ぶくれ(ミューカスシスト)のようなものができる
ヘバーデン結節は、原因不明の病気ですが、私のように根気よく治療を行うことで症状の改善が期待できますよ。気になる方は、早めに医療機関を受診しましょう。
足にもなることがある
へバーデン結節は、手の指だけではなく、足の指にも発症することがあります。
足の場合、特に母趾の付け根にある中足指節関節が変形することが多いです。一見すると、ひどい外反母趾のように見えることがありますが、へバーデン結節の可能性があるんですね。
足のへバーデン結節は、手と比べると体重の負荷が常にかかるため、痛みや変形が出やすい傾向があります。ただし、足の変形や痛みがすべてへバーデン結節とは限りません。類似した病気の可能性もあります。そのため、正確な判断は医師でないと難しいです。
足の変形や痛みが気になる方は、自己判断せずに整形外科などの専門医に相談し、適切な診断を受けましょう。
関節リウマチとは違う病気
へバーデン結節と関節リウマチは、症状が似ているため混同されやすい病気です。
私も症状がでたときは、関節リウマチかなと思っていました。しかし、病院に行くとへバーデン結節と診断されました。
両者は違う病気であり、原因や治療法が大きく異なります。関節リウマチは、自己免疫疾患の一種で、関節の滑膜が炎症を起こすことで腫れや痛みが生じます。また、血液検査で炎症反応や自己抗体が高値を示すことが多いです。一方、へバーデン結節は、原因不明の変形性関節症の一種とされています。
このように2つの病気は、症状が似ていても違う病気のため、自己判断で関節リウマチと決めつけるのはやめましょう。もし、関節の腫れや痛み、変形などの症状が気になる方は、整形外科などの専門医を受診し、適切な検査・診断を受けることが大切です。
へバーデン結節の原因ってなに?
ヘバーデン結節の原因は、現時点ではっきりと解明されていません。しかし、いくつかの要因が関連していると考えられています。
具体的には、下記の要因が関係していると考えられています。
原因 | 説明 |
加齢 | 40代以降の中高年の女性に多く発症していることから、加齢に伴う関節軟骨の変性や摩耗が関与している可能性がある |
指先の過度の使用 | 長年にわたって指先を酷使する仕事や趣味をしている人に多くみられるため、 指先への過度の負担が関節軟骨の損傷を引き起こしている可能性がある |
女性ホルモンの変調 | 更年期以降の女性に多く発症していることから、エストロゲンの低下が 関節軟骨の代謝に影響を与えている可能性がある |
ストレス | スストレスによって自律神経のバランスが乱れ、関節の血流が悪化し、関節軟骨の変性が促進されている可能性がある |
ヘバーデン結節の原因は、複数の要因が関連していると考えられていますが、はっきりと解明されていません。私も何件も病院に行きましたが、はっきりとした原因はわからないといわれました。今後の研究によって、ヘバーデン結節の原因が明らかになることを期待しましょう。
ヘバーデン結節でやってはいけないこと
へバーデン結節と診断された場合、下記のことはやってはいけないとされています。
- 無理に力を加える
- 指を多く使う作業をする
- 水ぶくれ(ミューカスシスト)を自分で潰す
- 炎症の原因になる食べ物を過剰に摂取する
気になる項目があれば、担当者に相談のもと判断しましょう。
無理に力を加える
ヘバーデン結節と診断された場合、痛みが出ている関節を無理に動かすのは止めておきましょう。
無理に動かすことで、かえって痛みが増し、将来的な変形を進行させてしまう可能性があります。また、変形を防ごうと思って、反対方向に無理やり力を加えたり、ぐりぐりとマッサージしたりするのも避けた方がいいでしょう。
これらの行為は、関節に余計な負担をかけ、症状を悪化させる原因になるかもしれません。私も発症当初に変形しないように自己流で無理に動かしてしまい、今では後悔しています。マッサージなどを行う場合は、担当者の判断と適切な指導のもと行いましょう。
指を多く使う作業をする
へバーデン結節と診断された場合、指を多く使う作業は避けた方がいいです。
私は、下記のような作業を意識的に控えていました。
行動 | 理由 | 対策 |
パソコンやスマートフォンの長時間使用 | 指の関節、特に第一関節へ負担が かかるため | 長時間の使用を避ける |
重い手提げバッグなど を持つ | 指の関節に大きな力がかかるため | やむを得ない場合は手のひらや前腕で支える |
指に力が入る細かい作業 | 指の関節に負担をかけ、症状を悪化させる可能性があるため | 裁縫や手芸、楽器の演奏などの作業を控えめにする |
私は手提げバックをリュックに変え、趣味のウクレレを弾く時間を減らすなど工夫しました。無理のない範囲で実践することがおすすめです。日常生活では、無意識のうちに指に力が入っていることがあります。意識して生活することで、指への負担を減らせますよ。
水ぶくれ(ミューカスシスト)を自分で潰す
水ぶくれ(ミューカスシスト)を自分で潰すことは避けましょう。
ヘバーデン結節の特徴の一つに、指の第一関節に水ぶくれ(ミューカスシスト)ができることがあります。この水ぶくれは、関節内の滑膜が突出してできたものです。
自分で無理に潰してしまうと、患部から細菌が侵入してしまう危険性があります。そのため、水ぶくれ(ミューカスシスト)が気になる場合は、自分で潰すのではなく、整形外科などの専門医に相談しましょう。医師の診断のもと、適切な治療を受けることが大切です。
炎症の原因になる食べ物を過剰に摂取する
ヘバーデン結節と診断された場合、過度な砂糖やトランス脂肪酸を多く含む食品の摂取は控えた方がいいかもしれません。これらの食品は、関節の炎症をひどくする可能性があるため、ヘバーデン結節の症状を悪化させるリスクがあるとされています。
具体的には、下記のような食品の摂取を控えることが望ましいでしょう。
- 菓子類やケーキなどの甘味の強い食品
- ファストフードやスナック菓子などの加工食品
- マーガリンやショートニングなどのトランス脂肪酸を多く含む食品
ただし、これらの食品が必ずしも炎症をひどくするわけではありません。炎症がひどくなるかどうかは、体質などの個人差があります。私はお菓子やスイーツが大好きだったので、毎日食べていました。しかし、へバーデン結節になってからは、食べる頻度を減らしたり、和菓子に変えたりなどできる範囲で控えていました。
へバーデン結節は何科に行けばいい?
ヘバーデン結節かどうか気になる場合は、まずは整形外科を受診しましょう。整形外科は、関節疾患の診断と治療を専門としているため、適切な診断と治療方針を提示してくれるはずです。
受診の際は、医師による視診や触診、レントゲン検査などを受けることが多いです。医師による診察によって、ヘバーデン結節の特徴的な所見を確認することで、正確な診断を下せます。また、ヘバーデン結節と診断された場合でも、より専門的な意見が必要だと感じたら、整形外科の中でも手を専門とする医師に相談するのも一つの選択肢です。
同じ整形外科でも専門とする分野が異なることがあるため、手の疾患に精通した医師の意見を聞くことで、より適切な治療方針を立てられるかもしれません。
へバーデン結節の治し方・治療法
へバーデン結節の一般的な治し方・治療法は、下記の通りです。
- 保存的治療
- 薬物療法
- リハビリ治療
- 手術療法
保存的治療
保存的治療は、ヘバーデン結節の症状を緩和し、関節の変形を遅らせることを目的とした治療法です。
具体的には、下記のような方法が含まれます。
方法 | 内容 | 期待される効果 |
安静・固定 | 患部を安静にする 指の無理な動きを避ける テーピングや装具で固定 | 関節への負担を軽減 |
冷却・マッサージ | 腫れや熱感がある場合は患部を冷やす ハンドクリームなどを使って患部を軽く マッサージ | 炎症を抑える 血行を促進し、痛みや腫れを和らげる |
消炎鎮痛薬 | 湿布や塗り薬などの外用剤を使用 | 痛みを和らげる |
症状や重症度によって、適切な治療法は異なるため、医師の診断と指示に従って治療を進めることが重要です。私は基本的にテーピング等で固定し、無理な動きを避けていました。
薬物療法
薬物療法は、医師の判断のもと炎症を早期に沈静化させ、痛みや腫れを軽減することを目的とした治療法です。
具体的な薬物療法としては、下記のようなものが挙げられます。
- 医師の判断のもと消炎鎮痛薬の内服
- ホルモンバランス調整のためのサプリメントの摂取
- 体調や循環改善目的の漢方薬の摂取
- ステロイド注射により痛みや腫れを軽減させる
薬物療法は、医師と十分に相談し、適切な治療方針を決めていくことが大切です。定期的な通院と医師との連携を図りながら、適切な療法を継続していきましょう。
リハビリ治療
リハビリ療法は、ストレッチや筋力トレーニング、関節可動域を拡大するエクササイズ等を組み合わせ、手のこわばりや痛みを改善することを目的とした治療法です。
ヘバーデン結節になると、多くの方が手のこわばりを訴えることがあります。
その原因としては、下記のようなことが考えられます。
- 関節を保護し、動きを円滑にする滑膜の機能低下
- 腱鞘炎による腱のすべり(滑走)の低下
- 関節を動かす筋肉、特に手の中にある「内在筋」の柔軟性・筋力の低下
これらの原因に対して、ストレッチや筋力トレーニング、関節可動域訓練などを行います。ただし、リハビリ療法は専門の医師や理学療法士の指導のもと行うことが重要です。自己流でのリハビリは、かえって症状を悪化させる可能性があるため避けましょう。
手術療法
手術療法は、ヘバーデン結節の変形が進行し痛みが消えなかったり、日常生活に支障をきたしたりした場合に検討される治療法です。
手術療法には、主に関節固定術と関節形成術の2つの方法があります。
手術名 | 内容 | 効果 |
関節形成術 | 骨のでっぱり(結節部、骨棘)や 水ぶくれ(ミューカスシスト)を切除する | 指の外観を改善が期待できる |
関節固定術 | 傷んだ指先の第一関節のグラつきを改善させる 関節を最も使いやすい位置で固定する | 痛みを無くすことが期待できる |
手術療法は、メリットとデメリットを十分に理解し、担当医と相談しながら決める必要があります。
へバーデン結節の気になる疑問
ここでは、へバーデン結節に関する気になる疑問についてお答えします。
疑問を解消し、治療への意欲を高めていきましょう。
へバーデン結節をほっとくとどうなる?
ヘバーデン結節は、放置しておくと長い年月をかけて徐々に変形が進行すると考えられています。ただし、その進行速度には個人差があるため、一概には言えません。多くの場合、放置しておくと徐々に他の指にも症状が広がっていくことが多いです。
初期の症状としては、指の第一関節の腫れや皮膚の赤み、痛みなどが現れます。しかし、数年かけて徐々に変形が進行し、最終的には指が横に曲がる側方変異や屈曲した状態で関節が固まってしまう可能性があります。
そのため、ヘバーデン結節と診断された場合は、放置せずにできるだけ早期の段階で適切な治療を開始することが大切です。早期の治療により、症状の進行を遅らせたり、痛みを和らげたりすることが期待できますよ。
ブシャール結節とはなにが違うの?
ヘバーデン結節とブシャール結節は、どちらも手指の変形性関節症ですが、発生する関節が異なります。
ヘバーデン結節は、指の第一関節に生じる変形性関節症です。一方、ブシャール結節は、指の第2関節に生じる変形性関節症です。一般的には、ヘバーデン結節が先に発症し、ある程度進行した後にブシャール結節が生じることが多いとされています。
ただし、個人差が大きく、ヘバーデン結節のみ、またはブシャール結節のみが発症する場合もあります。ヘバーデン結節とブシャール結節は、症状が似ているため、自己判断で区別するのは難しいです。正確な診断には、整形外科などの専門医による診察が必要です。
へバーデン結節は遺伝するの?
ヘバーデン結節の遺伝性については、現在のところ科学的に証明されていません。しかし、母娘や姉妹間でヘバーデン結節を発症するケースがあるようです。これは、遺伝的な要因というよりも、家族間で体質や生活習慣が似ていることが影響している可能性が考えられています。
例えば、関節の柔軟性や筋力、ホルモンバランスなどの体質が家族間で共通している場合、ヘバーデン結節を発症するリスクが高まる可能性があります。ただし、これは可能性の一つであり、現時点ではっきりとしたことはわかっていません。実際、私の母や妹は発症していません。
へバーデン結節は医師の判断のもと適切な治療が大切
本記事では、へバーデン結節の特徴や原因、治療法について紹介しました。
ヘバーデン結節は、40代以降の女性に多くみられる原因不明の指の変形性関節症です。人差し指から小指の第一関節が腫れたり変形したりすることで、痛みを伴うことがあります。
治療は、保存的治療、薬物療法、リハビリ治療、手術療法などがあります。症状が気になる場合は整形外科を受診しましょう。
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